【アパレルOEM制作実績】セットアップの色が違う?量産で起こる「ロットぶれ」と、その解決方法

海外の提携縫製工場が裁断前にロット違いを見抜いた現物記録。手書きの番号(1番と2番)が振られ、ホチキス留めされた赤みの強いベージュと黄色みの強いベージュの生地スワッチ。

アパレルOEMでは、
「サンプルは完璧だったのに、
追加生産したら色が違う」

というトラブルが起こることがあります。

特にセットアップは、
トップスとボトムスの色が
少しでも違うだけで
商品価値が大きく下がってしまいます。

実はこの原因の多くは、
縫製ではなく

生地の染色ロット
(ロットぶれ)

にあります。

今回は実際に
DESIGNLAB.で起きた事例をもとに、

  • なぜ色が変わってしまったのか
  • 私たちがどのように対応したのか
  • 今後同じ事故を防ぐために
    何をしているのか

を、生産管理の現場からご紹介します。

本記事では、
実際にDESIGNLAB.が対応した
制作実績をもとに、
生産管理の現場でどのように
問題を解決したのかをご紹介します。


目次

ある日、お取引いただいている
ブランドオーナー様から
一通のメールが届きました。

先日納品された
セットアップのハーフパンツだけ
色が違うように見えるので
確認していただけませんか?」

半年前に納品したチャコールグレーのTシャツと、今回仕上がってきたハーフパンツの色相のズレ。赤みがかったグレーと青みがかったグレーでロットブレが発生している状態の比較写真。

添付されていた写真を見ると、
トップスとハーフパンツの色味に
明らかな差がありました。
 
まず生産履歴を確認したところ、
原因のおおよその見当がつきました。

半年前に量産した
チャコールグレーの

Tシャツ・パーカーと、

今回新たに生産した
ハーフパンツ。

一見同じチャコールグレーですが、

  • トップスは赤みのあるグレー
  • ボトムスは青みのあるグレー

になっていました。

それぞれ単体では問題ありません。

しかしセットアップとして並べると
違いは明らかで、
このまま販売できる状態では
ありませんでした。

このようなお問い合わせは
決して多くありませんが、
アパレルOEMでは追加生産時などに
起こり得る
代表的な品質トラブルの一つです。


まず最初に行ったのは、
生産履歴の確認です。

今回の商品は初回生産ではなく
追加生産でした。

工場・生地メーカーへ確認を進めた結果、
やはり原因は生地ロットの違い
であることが判明しました。

今回の案件では、
まず

  • Tシャツ
  • パーカー

を先に量産し、
その約半年後に

  • ハーフパンツ

を追加生産する流れになっていました。

このような時間差発注は、
実はアパレルOEMでは珍しくありません。

ところが、
生地は同じ品番でも
染色するタイミングが変わると
色味が微妙に変化します。

これを

ロットぶれ
(染色ロット差)

と呼びます。

生地は一度に大量生産されます。
その一回ごとの生産単位を
「ロット」と呼びます。

たとえ同じ品番・同じ色番号でも、
染料の配合はもちろん、

  • 気温
  • 湿度
  • 染色釜
  • 加工条件

など、さまざまな要因によって
色味が完全に一致することはありません。
色がわずかに変わります。

国内生産・海外生産を問わず
起こり得る繊維業界の特性ですが、
市場流通の仕組みによって
対応方法は大きく異なります。


国内メーカーの場合

例えば10反発注した生地が、

  • 7反
  • 3反

という別ロットになった場合、
多くの国内メーカーでは
事前にその情報を知らせてくれます。

そのため、

  • ロットごとに管理する
  • 出荷を分ける
  • 販売時に案内する

など、
事前に対策を取ることができます。


一方、
韓国や中国の市場生地は、
スピードと小ロット対応
を重視した流通が一般的です。

そのため、
「今回の生地は別ロットです」
という連絡が入らないことも
少なくありません。

もちろん中には丁寧に教えてくれる
生地メーカーもありますが、
それが標準ではありません。


初回生産では上下とも
同じロットの生地を使用するため、
色差はほとんど発生しません。

一方、
追加生産では事情が変わります。

数か月後になると、
初回に使用した生地は
すでに使い切っていることが多く、
新しいロットで生産することになります。

この時に、
わずかな色差が生じることがあります。

特に今回のようなセットアップ商品は、
上下を並べて着用するため、
少しの色差でも
目立ちやすい特徴があります。


「色が違う」というと、
不良品を想像される方も多いと思います。
しかし今回のケースは、
生地不良や縫製不良ではありません。

繊維業界では、ロットによる色差は
一定の許容範囲として扱われています。

もちろん、お客様から見れば
「上下で色が違って見える」
という事実は変わりません。

そのためOEM会社には、
原因を正確に特定し、
適切な対応を行うことが求められます。


今回、
お客様からご連絡をいただいた時点で、
私たちは原因の説明よりも先に
解決策を確保することを優先しました。

まず韓国側で、

  • 同じ色の生地在庫を調査
  • ハーフパンツと
    完全に一致するロットを確保
  • 提携工場の生産スケジュールを確認
  • 再生産可能な納期を確定

ここまでを一気に進めました。

それから
生地メーカーと工場へ確認を行い、

  • 使用した生地ロット
  • 生産履歴
  • 染色履歴

を一つずつ照合しました。

その結果、今回の色差は
ロット変更によるものだと
判断できました。

原因が分からないまま対応を進めると、
お客様にも正確な説明ができません。
だからこそ、
まず事実を確認することを
最優先にしています。

原因が判明した後は、
「原因はロット差でした。」
で終わりではありません。

ここからがお客様にとって
最も重要な工程です。

改善策と原因解明の準備が整ってから、
お客様へご連絡しました。

DESIGNLAB.では、
お客様の販売状況や
今後の展開を確認しながら、
どの対応が最適かをご相談しました。

実際にお客様へは、
以下のような内容でご提案しました。

ハーフパンツと同じロット
の生地を確保しました。
Tシャツ・パーカーを
この生地で再生産できます。
約3週間で納品できる体制を
整えております。」

トラブルが起きたとき、
お客様が一番知りたいのは原因よりも
「どうすれば解決できるのか」
その答えを先にご提示することが、
生産管理として
最も大切だと私たちは考えています。

100%防ぐことは難しいものの、
発生リスクを下げる方法はあります。
例えば追加生産では、

  • 初回生産時の生地スワッチ
    (色見本)を保管しておく
  • 新しいロットの生地と色味を比較する
  • セットアップなど色合わせが重要な商品は、
    裁断前に確認する

こうした工程を挟むことで、
多くのケースは
事前に気付くことができます。

ただし、
生地メーカーの供給状況や
生産スケジュール、
加工条件など、
さまざまな要因が重なることで、
量産後にはじめて
色差が分かるケースも
ゼロではありません。

色の違いは
ロットぶれだけではありません。

アパレルの量産では、
生地の種類や加工方法によって、
さまざまな
色のトラブルが起こる可能性があります。

中希(ちゅうき)現象

生地の中央部分と
両端で染まり方が異なり、
幅方向に色ムラが発生する現象です。
特にレーヨン素材などでは起こりやすく、
裁断位置によって色の見え方が
変わってしまう場合があります。

一反の中で起こる色差

同じ反物であっても、
巻き始めと巻き終わりで
染料の吸着具合が変わり、
わずかに色味が異なることがあります。
一見すると分かりにくい違いですが、
同じ製品の前身頃と後身頃に使われると
違和感として現れてしまいます。

裁断による色違い

こうした色差を
見落としたまま裁断すると、

・袖だけ色が違う
・前身頃と後身頃で色が違う

といった量産事故につながります。
そのため、生地が工場へ届いた段階で
色を確認することは、生産管理の中でも
非常に重要な工程です。


今回は後に生産したハーフパンツと
同じロットの生地を確保できたので、

先に生産していた
Tシャツとパーカーを作り直す形
となりました。

こうして急ぎで再生産した
Tシャツとパーカーが完成しました。

実際に上下を重ねて確認すると、
色の違和感はなく、
セットアップとして
違和感のない仕上がりになりました。

色ブレ解決。同じ生地染ロットで生産したトップスと色合わせ確認。

お客様にもご確認いただき、

「これなら安心して販売できます」
というお言葉を
いただくことができました。

もちろん、
トラブルが起きないことが理想です。
しかし、
ものづくりでは予期しない出来事が
起こることもあります。

セットアップ商品の色違いは、
生地ロットの違いによって
起こることがあります。

これは繊維業界では
珍しいことではありませんが、
お客様にとっては大切な商品
であることに変わりはありません。

だからこそ大切なのは、

トラブルが起きたあと、
どのように対応するか。

私たちはそう考えています。


OEM会社の仕事は、
工場へ発注することではありません。
品質に関する問題が発生した際に、

  • 原因を正確に調査すること
  • 生地メーカーや工場と連携すること
  • お客様へ分かりやすく説明すること
  • 最適な解決策を提案すること

ここまで含めてOEM会社の役割です。

実際に量産では、色差だけでなく、

  • サイズの個体差
  • 生地の風合いの違い
  • 副資材の廃番
  • 納期変更

など、さまざまなイレギュラーが
発生する可能性があります。

こうした場面で経験のあるOEM会社ほど、
落ち着いて状況を整理し、
適切な判断ができます。

品質に関するトラブルでは、
OEM会社は
お客様と工場の間に立つ存在になり
それぞれの状況を確認しながら
対応を進めます。

もちろん、
生産背景に起因する不具合であれば、
改善や作り直しなどの対応を検討します。

一方で、
お客様のご要望がすべて
品質不良に該当するとは限りません。

たとえば、

  • ご指示いただいた仕様通りに製造されている
  • 業界の許容範囲内である
  • 生産前の確認内容と相違がない

その内容を丁寧にご説明し、
お客様にもご理解をいただいたうえで、
そのまま進行することもあります。

私たちは、
お客様の立場だけでも、
工場の立場だけでもなく、
事実や品質基準に加え

長年の経験と知識に基づき
最適な判断を行う
ことを大切にしています。

ものづくりでは、
さまざまな立場の人が関わります。
だからこそ、
品質基準や契約内容、
生産背景を踏まえながら、

一方的な判断ではなく、
お客様と工場の双方にとって
公平な立場で判断し、
最適な着地点を見つけることも
大切な役割だと私たちは考えています。

アパレルOEMでは、
生地・副資材・縫製・物流など、
多くの人と工程が関わります。

そのため、
どれだけ注意していても
予想外の出来事が起こることはあります。
そのため
トラブルを100%ゼロにすることは
できません。

本当に重要なのは、
「トラブルが起こるかどうか」

ではなく、
「その後、どのように対応するか」

です。

だからこそ私たちは、
「原因を説明して終わり」
ではなく、

「どうすれば販売できる
 状態まで戻せるか」

を最優先に考えています。

今回も、
・現地で生地を探す
・工場を押さえる
・納期を確定する

という準備をすべて終えてから、
お客様へご連絡しました。

お客様にとって
必要なのは言い訳ではなく、
安心して販売できる
解決策だと考えているからです。


アパレルOEMは、
サンプルを作って終わりではありません。

量産が始まってからも、

・生地のロット管理
・品質管理
・納期管理
・工場との調整

まで含めて、
生産管理の仕事は続いていきます。

DESIGNLAB.では、
企画から量産、納品後まで
一貫してサポートしています。

「量産を進めたいけれど、
 生産管理まで任せられる
 会社を探している」

「セットアップや追加生産で
 色ブレが心配」

そんな法人様・ブランド様は、
お気軽にご相談ください。

ブランドや商品の特性に合わせて、
最適な生産方法をご提案いたします。

セットアップ商品の色違いは、
生地ロットの違いによって
起こることがあります。

しかし、本当に重要なのは
「トラブルが起きないこと」ではなく、
「起きたときにどう対応するか」です。

DESIGNLAB.では、
生産中・納品後も含めて、
お客様に安心していただけるよう
生産管理を行っています。

お打ち合わせの際は、
以下の3点をご準備いただけますと
スムーズです。

  • 予定数量
  • 販売時期
  • 理想とする商品のイメージ

仕様書や専門知識は必要ありません。

まずは現在進行中のアパレル案件、
ユニフォーム案件、イベント物販案件
についてお聞かせください。

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