2027年の春節は2月6日。中国アパレルOEMで「春節前になんとか出します」が怖い理由

春節前の中国生産で
本当に怖いのは、
「作れないこと」

より
「作ったあとに

直せないこと」

アパレルOEM 中国生産 中国縫製工場

2027年の春節(旧正月)は2月6日です。
2026年は2月17日だったので、
11日早く春節を迎えることになります。

中国でアパレル生産をしている私たちが、
この日付を見て最初に思うのは、

「今年は早いな……」

ということです。

春節が早いということは、
工場が落ち着かなくなる時期も
それだけ早くやってきます。

特に気をつけたいのが、
3月頭に発売・POP-UP・イベント
などが決まっている商品です。

「中国から1月末に出せれば、
 3月なら間に合うでしょう」

カレンダーだけを見ると、
そう思うかもしれません。

でも、私たちは
そのスケジュールでは組みません。

なぜなら、
量産した商品に不良が見つかったら
どうするのか。

そのとき工員がすでに帰省していたら?

ボタン屋も生地屋も休みに入っていたら?

日本に届いてから
縫製不良が見つかったら?

春節前の中国生産で本当に怖いのは、
「作れないこと」より
「作ったあとに直せないこと」です。

今回は、
中国生産でアパレルOEMを
行ってきた私たちが、
なぜ3月納品の商品を
前年10月頃から動かすのか。

実際の現場で起きることを
交えながらお話しします。

※2027年の中国政府による具体的な春節休暇日程は、本記事執筆時点では未発表です。また、工場の実際の休業期間は地域・企業によって異なります。本記事のスケジュールは、DESIGNLAB.のこれまでの中国生産経験をもとにした進行目安です。

目次

1. 春節前の中国生産。
「縫製が終わる日」
だけ見てはいけない

たとえば3月上旬に
300枚の商品が必要だとします。

工場に確認すると、
「この仕様なら○日くらいで縫えますよ」
という返事が来ます。

ここだけを見ると、
11月や12月に発注しても
間に合いそうに見えることがあります。

でも、実際のアパレルOEMは、

生地手配 → 付属手配 → サンプル → 修正 → 量産 → 検品 → 修正 → 国際輸送 → 日本での検品 → 納品

です。

工場から商品が出たら終わり、
ではありません。

問題は、最後の「修正」です。

300枚作って300枚すべてが
問題なく上がればいい。
でも、検品してみたら
30枚に縫製不良があった。

  • 汚れが見つかった。
  • ボタンが違った。
  • 寸法が基準から外れていた。

そんなことが起きたとき、

「では工場に戻して
 直しましょう」
と言えるのが通常期です。
春節直前は、
それができないことが
あります。

2. 春節前になると、
現場で何が起きるのか

春節だから中国の工場の品質が悪くなる、
という単純な話ではありません。

問題は、
普段と同じ条件で
生産できなくなっていくことです。

工員が少しずつ帰省し始める

中国の縫製工場では、
地方から働きに来ている工員も多くいます。
春節は家族のもとへ帰る大切な時期です。
そのため、すべての人が
工場の最終営業日まで働いて、
翌日一斉に
休みに入るわけではありません。

遠方の人が早めに帰省したり、
工場によっては通常より少ない人数で
生産する時期が出てきます。

それでも工場側には、
「春節前にこの商品を
全部出してしまいたい」
という事情があります。

人は少なくなる。
でも、
出荷したい商品はたくさんある。

この状態で
通常期とまったく同じ余裕を期待するのは
難しくなります。

ボタン1個がない。
でも付属屋はもう休み

春節前に止まるのは
縫製工場だけではありません。

生地屋、染め屋、プリント屋、刺繍屋、
ボタン・ファスナーなどの付属屋、
検品会社、現地の運送会社。

それぞれが、それぞれのタイミングで
休みに入っていきます。

実際の生産では、

「あとボタンが1個あれば完成なのに、
 付属屋がもう休み」

「指定した色の糸が足りない。
 でも仕入先と連絡がつかない」

ということが起きます。

日本から見れば、
「あとボタンだけでしょう?」
と思います。

でも、
その“あと1個”が

どうにもならない。
これが春節直前の
中国生産の

怖いところです。

検品で不良を見つけても、
直す人がいない

これも困ります。

なんとか春節前に量産が完成した。
急いで検品する。
そこで縫製不良が見つかった。
ところが、
工員はすでに帰省している。
そうなると、
商品は目の前にあるのに直せません。

「春節明けに直します」となれば、
その商品は中国に置いたまま
春節を越すことになります。

3月上旬にイベントがある商品なら、
かなり厳しい状況です。

休み明けに工員が
戻ってこないこともある

そして、
春節が終わったからといって、
翌日から工場が100%通常運転に戻る
とは限りません。

中国生産を長くやっていると、
「去年まで縫っていた人が、
 今年はいない」
ということがあります。

帰省した工員が
予定どおり戻らなかったり、
そのまま別の工場へ転職したりする
ケースもあります。

工場側も新しい人員を入れたり、
ラインを組み直したりしながら
再スタートします。

だから私たちは、
「春節が終わった日
 =工場が元どおり動く日」
とは考えていません。

「春節明けにすぐ縫い直せば、
 3月頭には間に合います」

カレンダー上では
できそうに見えます。
現場では、そこに

不確定要素があります。

3. 3月上旬納品なら、
私たちは前年10月頃から
動きます

では、実際にどうするのか。

たとえば2027年3月上旬に
発売日やイベントが
決まっている商品なら、
DESIGNLAB.では
前年10月頃までに仕様・数量を固め、
発注へ進めることを
ひとつの目安にしています。

理想的には、こんな流れです。

【10月頃】
仕様・数量をFIX。生地、ボタン、ファスナーなどの資材を手配

【11月頃】
サンプル確認・修正、量産仕様を確定

【12月】
量産

【1月前半〜中旬】
中国で検品し、できるだけ春節前に日本へ出荷

【1月中旬〜下旬】
日本で検品。不良があれば修正方法を判断

【2月】
予備期間

【3月上旬】
納品・発売・イベント

ここで重要なのが
2月を生産期間として
当てにしすぎないことです。

2月に作ればいい、
ではなく、
できるだけ2月を
「何か起きたときのための時間」
として残しておく。

これが春節をまたぐ中国生産では
かなり重要です。

4. なぜ
1月中に日本へ入れる
ことにこだわるのか

理由は単純です。

日本に商品があれば、
まだ手を打てるからです。

たとえば日本で全数検品して、

  • 糸始末が悪い。
  • ボタン付けが甘い。
  • 軽微な縫製不良がある。
  • 部分的な汚れがある。

こうした問題なら、
内容によっては国内の
修繕・縫製工場へ相談できます。

中国が春節で止まっていても、
日本で直せる可能性があります。

一方、
生地が破れている、
パーツそのものが違うなど、
作り直しが必要な不良なら話は別です。

その場合は、
中国工場の再稼働を待つのか。
納期を分けるのか。
数量や仕様によっては韓国や国内の工場で
代替生産できないか。
そこまで含めて判断します。

もちろん、
何でも日本や韓国へ振り替えれば
解決するわけではありません。
生地も型紙も仕様も違えば、
簡単には移せません。

だからこそ、

「何か起きてから考える」
のではなく、
何か起きても考える時間が
残るようにしておく。

それが生産管理だと私たちは考えています。

発注のタイミング中国からの出荷時期不良が出たときのリカバリー納期に間に合うか
前年10月上旬まで1月中旬(春節前)余裕で間に合う
(日本で全数検品し、B品が出ても日本の工場で直すか、春節明けの最速再生産で間に合う)
◎ 余裕を持って進めやすい(プロの進行)
前年11月中旬1月下旬(春節ギリギリ)かなり厳しい(軽微な汚れ程度なら国内で直せるが、大掛かりな縫い直しが必要な分は3月後半以降へズレ込む)△ リカバリー期間がかなり短い(一部納品前提)
前年12月以降2月下旬(春節明け)手遅れ(春節前に出荷できず、初回の納品そのものが3月下旬以降にずれ込む)× 3月上旬納品では原則おすすめしない

5. 11月・12月から
相談されたらどうする?

ここは実際によくあるところです。

11月になって、
「3月頭にイベントがあります。
 中国で300枚作れますか?」

12月になって、
「春節前に出せば間に合いますよね?」
というご相談です。

商品によっては対応できることもあります。

ただ、
私たちは工場から「できます」
と言われたことだけを理由に、
そのまま受注することはしません。

確認するのは、

  • 生地はすでにあるのか
  • 付属品は揃うのか
  • サンプルは何回必要か
  • 加工はあるのか
  • 工場の最終稼働日はいつか
  • 検品日は確保できるか
  • 不良が出たらどこで直すのか
  • 国際輸送に何日取れるか
  • 最終的に日本で何日残るのか

です。

これを全部逆算して、
厳しければ厳しいとお伝えします。

場合によっては、

「今回は中国ではなく
 韓国でやりましょう」

「国内生産に切り替えましょう」

「300枚を一度に納めず、
 必要数量だけ先に納品できないか
 考えましょう」

という提案をすることもあります。

中国で作ること自体が
目的ではありません。

必要な日に、必要な商品が
あることの方が重要だからです。

6. 春節前に
なんとか出します
が一番怖い

春節が近づいてくると、現地から、
「大丈夫です。休み前になんとか出します」
という返事が来ることがあります。

この言葉を聞いて
安心したくなるのですが、
私たちはむしろ
ここから細かく確認します。

  • 「出す」というのは何日なのか。
  • その前に検品できるのか。
  • 不良が出たら直す日数はあるのか。
  • 船なのかAirなのか。
  • 日本到着はいつなのか。
  • 通関後、国内検品に何日残るのか。

大切なのは、

「中国からいつ出るか」
ではなく、
「日本で販売できる良品が、
 いつ揃うか」
です。

工場の出荷予定日だけを見ていると、
この部分を見落とします。

7. 最後はAirにすればいい?
――それもコストです

量産品の日本への輸送が
船便では間に合わない。

そうなってから、
「Air(航空便)に切り替えましょう」
という話になることがあります。

もちろん航空便で時間を
短縮できるケースはあります。

でも、
商品数量や重量によっては
国際運賃が大きく変わります。

最初は製造単価を
数十円、数百円下げるために
中国生産を選んだのに、
最後に大量の商品を航空便で飛ばす。

これでは、
何のために原価を抑えたのか
分からなくなることがあります。

しかも怖いのは運賃だけではありません。

  • イベント当日に商品がない。
  • POP-UPの初日に売るものがない。
  • 発売日を告知したのに販売できない。

この損失は、
洋服1枚の製造原価だけでは
計算できません。

だから私たちは、製造単価だけではなく、

「販売日に、
 販売できる状態の商品を
 必要数量揃えるところまでが
 生産コスト」

と考えています。

8. 中国生産が危ない
のではなく、
時期に合わない
中国生産が危ない

ここまで書くと、
「では春節前は中国で
 作らない方がいいのでは?」
と思われるかもしれません。

そういう話ではありません。

中国には、
生産数量、設備、生地・加工の選択肢、
コストなど、多くのメリットがあります。

DESIGNLAB.でも
中国生産は普通に利用します。

ただし、
「中国で作れば安いから」
という理由だけで
生産地を決めることはありません。

  • 300枚を3月に必要なのか。
  • 1,000枚を5月に必要なのか。
  • 50枚だけ急いで必要なのか。

商品によって答えは変わります。

3月頭に必要なのに
12月から中国でゼロからスタートする。

これが危ないのであって、
中国生産そのものが
危ないわけではありません。

納期・数量・仕様・原価
に合わせて、
生産する国と工場を選ぶ。
アパレルOEMでは、
ここがかなり重要です。

9. 2027年春夏商品の
中国生産を検討されている
法人・ブランド様へ

2027年の春節は2月6日。
2026年より11日早くやってきます。

3月前後に発売やイベントを
予定している商品については、
いつもの年より少し早めに
動くことをおすすめします。

いつまでに
何を決めなければいけないのか
を最初にお伝えすること
の方が大切だと考えています。

春節は毎年来ます。
だからこそ、
毎年慌てる必要はありません。

早めに逆算しておけば、
中国生産でも十分に余裕を持った
進行はできます。

  • 生産ロット
    国内・韓国生産は1型50枚〜
    中国生産は1型100枚〜(総額50万円〜)
     
  • 春節シーズンのルール
    3月上旬納品の中国生産については、
    前年10月頃までの仕様・発注確定を
    ひとつの目安としています。
    11月以降にご相談いただいた場合は
    最初から韓国・国内生産への切り替え
    あるいは納期を分ける進行を提案します。

「毎年のように旧正月で
 冷汗をかいている」

「国内の手直しや代替ルートまで
 組んだ堅実な生産体制を作りたい」

という法人様・事業者様は
下記よりご相談ください。

[量産体制について相談する]

GEEK PENGUIN株式会社 / DESIGNLAB.

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