【量産案件】Tシャツ量産の落とし穴「白の色が合わない問題」|室内ライトと太陽光でこれだけ変わる現場のリアル

自然の太陽光下で白のカットソー身頃生地と2種類のリブ生地(c/#15とc/#32)の色差を比較し黄色みのリブ(c/#32)が馴染んでいる状態を示すスワッチ台紙の写真

アパレルの量産において
特に「白いカットソーやTシャツ」
を作ろうとしている
企画担当者様や、ブランドオーナー様へ。
現場の生産管理から、
どうしても知っておいてほしい
「事実」があります。

リブの染め直しとお直し縫製により首元リブと身頃の白が綺麗に同色化して一体となった白Tシャツの最終完成製品写真

「カラー帳を見て、身頃もリブも同じ
 『白』の品番で発注したから大丈夫。」

もしそう思っているなら、
量産が上がってきたときに
「あれ?
首元だけ色が違って安っぽく見える…」
と青ざめることになるかもしれません。

実はアパレルの世界で
最も合わせるのが難しく、
トラブルが起きやすいのが

「白」という色なんです。

はじめに結論をお伝えします。
どれだけ事前に確認を重ねても、
素材や光の環境が変われば、
白はシビアにズレます。
 
そして私たちは、上がってきた実物に
お客様がどうしても
拭えない違和感を覚えたとき、
即座にそれを解決するための
「具体的な方法と選択肢」を
現場から提案できる
引き出しを持っています。

この記事は、
「とにかく早く・安く・それっぽく
 上げてくれればいい」
という効率重視の案件には、
正直あまり向いていません。

逆に、
「多少の時間や手間がかかっても、
 納得のいくものを作りたい」
というブランド様や法人様 に向けた、
実際のDESIGNLAB.でのご依頼の記録です。

目次

百聞は一見にしかずです。

私たちが現場で行っている
「本体×リブ色の確認」の
比較写真を見てください。
一般的なアパレルOEMが見落としがちな、
光による「ひっくり返り」の現実です。

まずは、
オフィスの中で一般的な「昼白色ライト」
を当てて見たときの状態です。

室内昼白色ライト下で白のカットソー身頃生地と2種類のリブ生地(c/#15とc/#32)の色馴染みを比較しているスワッチ台紙の写真

写真の左側にあるのが身頃生地(白)です。
そして右側にあるのが、
首元に使うリブ生地の候補です。

  • 上のリブ(c/#15):
    少し青みがかったパキッとした白
     
  • 下のリブ(c/#32):
    少し黄色みがかった優しい白

室内のライト下で見ると、
上の青みがかったリブ(c/#15)のほうが、
身頃の白に近いように見えます。

ここで「じゃあ、上の品番で進めよう」
と決めてしまいそうになりますが、

これを一歩外に出て、
「自然の太陽光」の下で見ると、
事実が180度ひっくり返ります。

自然の太陽光下で白のカットソー身頃生地と2種類のリブ生地(c/#15とc/#32)の色差を比較し黄色みのリブ(c/#32)が馴染んでいる状態を示すスワッチ台紙の写真

外の光に当ててみた写真を見てください。
室内のライトであれだけ馴染んでいた
上のリブ(c/#15)が、
太陽光の下では青白く浮き上がって見え、
逆に
下の黄色みがかったリブ(c/#32)のほうが、
身頃の自然な白さに
すんなり馴染んでいるのが分かります。

もし室内だけの確認で進めていたら、
エンドユーザーが外でその服を着た瞬間に
「なんか首元だけ不自然に青白いな」と、
違和感を感じる結果になる場合も。

スワッチ(生地見本)の段階だけでなく、
実際に製品として縫い上がったときにも、
この「白のズレ」はシビアに顔を出します。

現場では「白は200色ある」
なんて冗談交じりに言ったりもしますが、
そう表現したくなるほど、
白のニュアンス管理はシビアです。

本来なら
リブとセットになっている
生地が多いため、
このようなトラブルになることは
少ないです。

 
しかし本体の身頃生地が特殊で
最初からリブ生地が作られていない場合、

色の合うリブを
後から探して色合わせをするのは、
本当に悩ましい作業になります。

私たちが実際に手がけたサンプルの写真を
見てください。

室内光源下で白いTシャツの首元リブ生地が身頃の白に対して青白く浮き上がって見えている色差の確認写真

上の写真を見ていただくと、
首元のリブが、身頃(本体)の
白に対して少し
「青白く」浮き上がって
見えているのが分かります。

アパレルの世界では、
身頃(天竺やスムース)と
首元(リブ編み)で
生地の組織や厚みが違うため、
光の吸収や反射の仕方が変わり、
このように見え方がズレる現象
(メタメリズム)
が日常茶飯事です。

こうした現場での
微調整と色合わせを重ねて、
最終的に仕上げた製品が
こちらの状態です。

リブの染め直しとお直し縫製により首元リブと身頃の白が綺麗に同色化して一体となった白Tシャツの最終完成製品写真

写真を見てください。
リブと身頃の白が同色系になり
違和感がないTシャツに
仕上がっているのが分かると思います。

ここからが、
私たちがこの記事で一番お伝えしたい
「現場のリアルな対応」です。

今回の案件では、
まず当初の段階では

お客様が選ばれた
白の特殊な身頃生地に対して、
生地屋に在庫してあるリブ生地が
「白」か「オフ白」
の2択しかありませんでした。
 
さらにお客様の
イベントが控えていたため、
何よりも優先すべきは

「納期スケジュール」だったのです。

そこで私たちは、
「黄色っぽく見えるリブ」と
「白っぽく見えるリブ」を、
太陽光と室内での見え方の違いも含めて
お客様に確認していただき、
ご選択いただいた「白」の方で
量産を進行しました。

そして製品は、
ご希望のスケジュール通りに
キッチリと仕上がりました。

通常、アパレルの量産実務において、
最後の納品確認(各一先行のお渡し)

の時点では、
修正や手直しを含めて何もできないのが
基本ルールです。


なぜなら、工場での検品段階で
何かおかしな不具合があった場合、
正しいものが確認できるまで
私たちは決して
お客様に報告はいたしません。

そのため、
お客様にお渡しする
納品確認のステージというのは、
あくまで「下札の付け方」や
「たたみ方」「仕上げの仕方」といった
最終外観を最終チェック
するための場だからです。

今回は
事前に色確認を重ねて
進めていた内容でしたので、
通常のフローであれば、
そのまま本納品へ向けて
突き進むはずの段階でした。

(もう一回サンプルを作って確認を
はさんでおきたかった。)
という思いはありましたが、

当時は納期との兼ね合いもあり、
お直しの手段など
物理的に残されていないはずの
タイミングだったのです。

しかし
納品確認用の一点をお渡しした際、
お客様から製品の現物を見て

「どうしても色差の違和感が拭えない」
というお言葉をいただきました。


さらに修理の費用負担についての
打診までいただいたのです。
 
ご依頼者様からそれほどまでに
諦めきれない
という熱い思いをぶつけられた以上、
私たちの答えはお直し一択でした。

私たちはすぐさま
工場へお直しの相談を入れ、
具体的な方法の話し合いを始めました。
 
製品は全て出来上がって出荷を
待っている状態のところでしたが
荷物をすべてばらし
色が浮いてしまっている
リブをすべて取り外し、
身頃に合う色でリブを一から染め直し
取付直す方法での修正を進めます。

そこで、
一度縫ったリブを取り外した際に残る
「針穴の問題」です。

工場からは
「針穴は完全には
消しきれない可能性もある」
という回答がありましたが、

処理方法をしっかりと話し合い、
お直ししたサンプルを
数点確認した段階で、
目視ではわからない状態にまで
綺麗に処理できていることが分かり、
無事にお直しを進めることができました。

  • リブの取り外しと、合う色の染め直しの時間
  • プレスによる針穴の処理と、再縫製の時間

これらを合わせた「約3週間」
というスケジュールをお客様に再提案し、
リブを同色系で作り直すお直しが
無事に完了しました。

私たちの協力工場が
このイレギュラーに対して
本当に真摯に取り組んでくれた結果、
最終的にはお客様に100%納得のいく
完璧な製品を
お届けすることができたのです。

重要なのは、
想定外の違和感や「もっと良くしたい」
という想いに直面したときに、

“どれだけ具体的な解決策を
引っ張り出せるか”

だと考えています。

私たちの知識や経験、
あるいは過去の事例から得た

現場での引き出しは、
慣れない量産で悩んでいるあなたに、
もっと「できること」を知って
実現してほしいからこそ存在しています。


もっと私たちの引き出しを見て、
提案の幅を増やして、
ものづくりを楽しんでほしいと

思っています。

無事に製品のお直しも終わり
納品の最後にお客様から
「本当に助かりました、
ここまでこだわって良かったです!」
と言いただけた瞬間が、
私たちの最高のやりがいです。

このブログの内容を読んで、

「分かる、そういうところで
服のクオリティって変わるんだよな」
 
「ここなら何があっても一緒に
ベストな方法を考えてくれそうだ」
 
と感じていただけたなら、
あなたと私たちのものづくりの価値観は
かなり近いはずです。

一人で抱え込まずに、
まずはあなたのご希望のイメージから
聞かせてください。
OEM企画営業担当が、
20年以上の生産経験をもとに
直接お答えいたします。

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聞かせてください。

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※打ち合わせ中や現場対応中で出られない場合があります。
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