「そこにはプリントできません」と言われたら。既製ボディでは難しいデザインを実現するアパレルOEM

答えのひとつが、
服を完成させる前に、
必要な加工を
済ませておくことです。

「袖口のぎりぎりまで
 プリントを入れたい」

「ポケットのこの位置に刺繍を入れたい」

「ブランドネームを後付けではなく、
 脇の縫い目に挟み込みたい」

そんな希望を伝えたとき、
「その加工は難しいです」
と言われた経験はありませんか?

 

実はこれ、
プリントや刺繍の技術が
足りないわけではなく、
すでに服が縫い上がっていること
が原因の場合があります。

完成したTシャツやスウェットは、
袖が筒状になり、衿やリブ、
ポケットも取り付けられています。

その状態では、プリントの版を
平らに当てられなかったり、
刺繍枠が入らなかったり、
縫い目の中にネームを
挟み込めなかったりします。

では、どうすればいいのでしょうか。

答えのひとつが、
服を完成させる前に、
必要な加工を
済ませておくことです。

袖を縫い合わせる前にプリントする。
ポケットを身頃に付ける前に刺繍する。
脇を縫うときに
ブランドネームを挟み込む。

作業の順番を変えることで、
完成品への後加工では
難しかったデザインも
実現できる場合があります。


本来は生地を選んで、
裁断したパーツの状態で
プリントや刺繍を入れ、
ピスネームを挟み込みながら縫い上げる。

これが、
オリジナルアパレルの本来の作り方です。

DESIGNLAB.では、
完成した服にプリントするかだけでなく、
どの工程で、どんな加工を入れれば
希望の仕上がりに近づけられるか
を考えながら企画のモヤモヤを
整理するところから生産まで、
一緒に製品づくりを進めていきます。

今回は、
実際に製作した商品の写真とともに、
既製ボディへの
後加工と裁断物加工の違い、
そして生地選びから
縫製までの工程をご紹介します。


目次

既製ボディへのプリントや刺繍は、
すでに完成している服に
加工を施す方法です。

Tシャツやスウェットの胸や背中など、
比較的平らな部分への加工には
適しています。

はじめにお伝えしたいのは、
既製ボディへの加工が悪いわけではない、
ということです。
スタッフ用のTシャツやノベルティなら、
とても便利で手軽な方法です。

ただ、数千円から1万円以上の価格で
「ブランドの主力商品」
として売り出そうとすると、
少しずつ壁が見えてきます。
誰でも仕入れられるボディなので、
シルエットや生地感がほかと似てくる為
価格で比べられやすくなってしまいます。

    そして、商品づくりの面では具体的に
    次のような場所は
    難しくなることがあります。

    袖口や裾のぎりぎりまで
    プリントしたい

    完成した服には、
    縫い目やリブとの接ぎ目があります。

    シルクスクリーンプリントでは、
    版を生地に均一に当てる必要がありますが、
    段差があると圧力が均一にならず、
    インクがかすれたり、
    柄が欠けたりする原因になります。

    袖が筒状になっていること自体も、
    加工位置を制限する要因です。

    ポケットの端や衿元に
    刺繍を入れたい

    刺繍では、生地を刺繍枠などで
    固定して加工します。

    完成した服の場合、
    ポケットの縫い付け位置や
    衿元の形状によっては、
    枠を適切に固定できないことがあります。

    無理に加工すると、
    周囲の生地を巻き込んだり、
    仕上がりが不安定になったり
    することもあります。

    ブランドネームを
    脇の縫い目に挟みたい

    ピスネームを脇の縫い目に挟み込むには、
    縫製時にネームを
    一緒に縫い込む必要があります。

    完成品でも縫い目をほどいて
    付け直す方法はありますが、工程が増え、
    仕上がりやコストにも影響します。

    つまり、これらは必ずしも
    「加工技術がないからできない」
    のではありません。

    完成してしまった服に、
    後から加工を加えること自体に
    制約があるのです。


    「その位置は難しいです」と言われると、
    技術的に足りないのかな
    と思うかもしれません。
    でも実際は、
    業者さんの腕の問題ではなく、
    仕上がった服ならではの制約が理由です。

    • 縫い目や段差のある場所には、
      プリントの版がきれいに当たらない:
      リブやポケットの上も同じで、インクがかすれたりにじんだりしやすいのです。
       
    • 刺繍枠がセットできない:
      エリ元や袖先、ポケットの真上には、刺繍機に固定するための枠が物理的に入りません。
       
    • 縫い代に挟めない:
      ピスネームを縫い目に挟みたい場合は、縫う前の段階で入れておく必要があります。完成した服の脇や裾をほどいて縫い直すのは、手間もコストも大きくなってしまいます。

    つまり、これは
    「できないお願いをしている」
    のではなく、

    作る順番の問題なのです。


    こうした制約に対応する方法のひとつが、
    「裁断物加工」です。

    裁断物加工とは、服を縫い上げる前に、
    裁断した生地のパーツへプリントや
    刺繍などを施す方法です。

    例えば、
    袖を筒状に縫う前であれば、
    生地を平らに置いてプリントできます。

    ポケットも、身頃へ縫い付ける前なら、
    単体のパーツとして刺繍を施せます。

    加工が終わってから
    各パーツを縫い合わせるため、
    完成品への後加工では難しい位置にも
    対応しやすくなります。

    ただし、裁断物加工なら
    何でも自由にできるわけではありません。

    縫い代、素材の伸縮、加工方法、
    縫製後の柄の見え方などを
    考慮する必要があります。

    大切なのは、
    加工する位置だけでなく、
    加工する順番まで
    設計することです。

    裁断物加工を取り入れた
    オリジナルウェアの製作工程

    ① 生地選び

    糸の太さ、生地の厚み、編み方
    (天竺・裏毛・フライスなど)
    を検討します。
    プリントや刺繍との相性も考えながら、
    素材を選びます。
    ↓

    ② パターン作成

    身幅、肩の落ち方、着丈など、
    シルエットを設計します。
    生地の切り替え位置や、
    プリント・刺繍の配置も、
    この段階から検討します。
    ↓

    ③ 裁断

    前身頃・後身頃・袖・ポケットなど、
    必要なパーツごとに生地を裁断します。
    ↓

    ④ パーツ加工 ― ☆ここが重要です

    縫製する前のパーツに、
    必要なプリントや刺繍を施します。

    • 袖口や裾の端に近い位置へのプリント
    • ポケット単体への刺繍
    • 衿や裾のリブを取り付ける前の加工
    • 縫製後の見え方を考慮した柄の配置

    ↓

    ⑤ 縫製

    加工済みのパーツを縫い合わせます。
    この工程で、脇や裾の縫い目に
    ピスネームを挟み込んだり、
    切り替えパーツを組み合わせたりします。
    ↓

    ⑥ 検品・仕上げ

    プリント位置、刺繍、縫製、ネーム、
    品質表示などを確認し、
    製品として仕上げます。


    このように、
    完成した服に後から加工するのではなく、
    製造工程の途中に
    必要な作業を組み込めることが、
    オリジナルOEMの大きな特徴です。

    プリント業者さんと私たちとでは、
    お手伝いできる範囲が違います。


    ここからは、DESIGNLAB.で製作している
    商品のディテールをご紹介します。

    袖口や裾の端まで入れた
    プリント・刺繍

    既製ボディでは、
    袖口のリブや縫い目の近くは
    加工が難しい場合があります。

    裁断物加工では、袖を縫い合わせる前に
    加工位置を調整できるため、
    端に近い場所への
    プリントや刺繍も検討できます。

    例えば、
    袖口の端にグラフィックを
    配置したい場合。
    単純にプリント位置を端へ
    寄せればいいわけではありません。

    縫製するときに必要な縫い代や、
    リブとの接ぎ目、着用時の伸び方も
    考慮する必要があります。

    加工した時点ではきれいでも、
    縫い上がったときに
    柄が隠れてしまっては
    意味がありません。

    そのため、完成時の見え方を想定して、
    加工位置を決めていきます。

    裁断物加工によりスウェットの袖口や裾リブ端ぎりぎりに施されたプリントと刺繍の実例

    【裁断物加工の実例】
    裾カフス端ぎりぎりへのプリントや、
    袖口リブ際への繊細な刺繍
    すでに筒状に縫い合わされた服には、
    プリントの版も刺繍枠も入りません。
    平らなパーツの段階で加工してから、
    リブ付けや縫製に進むので、
    端ぎりぎりのきれいな配置ができます。

    生地の切り替えや
    オリジナル配色

    オリジナルOEMでは、
    プリントだけでなく、
    服そのものの構造も設計できます。

    例えば、
    スウェットの身頃に
    曲線の切り替えを入れる。
    袖と身頃で異なる生地を使う。
    リブの色を変えたり、
    ラインテープを組み合わせたりする。

    こうした仕様は、
    完成した既製ボディに後から
    プリントするだけでは再現できません。
    パターンを作成する
    段階で切り替え線を設計し、
    それぞれのパーツを裁断して
    縫い合わせる必要があります。

    ただし、
    生地を自由に組み合わせればいい
    というものでもありません。
    異なる素材を使う場合は、厚みや伸縮性、
    縫製時の収まりなども確認します。

    デザイン画では自然に見える曲線でも、
    実際に縫い合わせるとラインが
    崩れることがあります。

    そうした部分をサンプルで確認しながら、
    量産できる仕様に調整していきます。

    アパレルOEMのパターン設計による生地の切り替え配色とリブ・ラインテープ仕様"
    アパレルOEMのパターン設計による生地の切り替え配色とリブ・ラインテープ仕様"

    【自由なパターン設計】
    生地の切り替えとオリジナル配色
    既製ボディの単色にとらわれず、
    身頃の曲線切り替えやリブの配色、
    ラインテープの流し込みまで、
    ブランドの世界観を型紙からゼロで形にします。

    ブランドネームの取り付け方も、
    製造工程によって変わります。

    既製ボディでは、
    元のタグを外して付け替えたり、
    完成品に後付けしたりする方法があります。

    一方、
    脇や裾の縫い目に
    ピスネームを挟み込む場合は、
    縫製工程で取り付けます。
    ネームの位置や大きさを決め、
    パーツを縫い合わせる際に
    一緒に挟み込みます。
    後から縫い付ける方法とは異なり、
    縫い目の中に
    自然に収められるのが特徴です。

    小さな部分ですが、
    ネームの取り付け方ひとつでも、
    完成品の印象は変わります。

    アパレル縫製時に脇シームや裾へ美しく挟み込まれたオリジナルピスネームのディテール
    アパレル縫製時に脇シームや裾へ美しく挟み込まれたオリジナルピスネームのディテール

    【細部のこだわり】
    縫い目にすっきり収まったピスネーム
    完成した服にタグを後から付けるのではなく、
    縫うときに縫い代へ直接挟み込みます。
    このひと手間で、見た目の印象がぐっと洗練されます。


    既製ボディへの加工と
    オリジナルOEMでは、
    対応できる範囲だけでなく、
    製造の進め方そのものが異なります。

    比較項目既製ボディへの加工オリジナルOEM
    生地既製品の規格から選ぶ素材・厚み・混率などを検討できる
    シルエット既製品の型が基本パターンから設計できる
    プリント完成品に加工するため位置に制約がある裁断パーツの段階で加工できる
    刺繍刺繍枠を固定できる場所に制約がある縫製前のパーツに刺繍できる
    生地の切り替え既製品の構造が基本切り替え位置から設計できる
    ピスネーム後付けや付け替えが中心縫製時に挟み込める
    生産工程完成品への加工が中心生地選びから裁断・加工・縫製まで設計する

    もちろん、すべての商品を
    オリジナルで作る必要はありません。

    胸や背中にプリントを入れるだけなら、
    既製ボディへの加工が
    適している場合もあります。

    一方、袖口や裾の端への加工、
    生地の切り替え、独自のシルエット
    などを実現したい場合は、
    製造工程から設計する方法が
    選択肢になります。

    既製ボディが良いか、
    オリジナルOEMが良いかではなく、
    作りたい商品に対して、
    どの製造方法が適しているか。
    そこを見極めることが大切です。

    プロのファッションデザイナーによるオリジナル商品の企画提案

    続けていくうちに、
    少しずつ気になってくることがあります。

    • 価格を上げにくくなる:ボディの質感や形から、お客様に元の仕入れ値が想像されてしまうと、価格を上げる理由づくりが難しくなります。
       
    • リピートにつながりにくい:どこにでもあるシルエットと素材感では、「このブランドだから買いたい」という気持ちが育ちにくくなります。
       
    • 小さな妥協が重なる:「ここにピスネームを挟みたかった」「もう少し上品な生地を使いたかった」という妥協が積み重なって、ブランドらしさが少しずつ薄れてしまうこともあります。
    出荷風景

    デザインとして実現できることと、
    商品として量産できることは、
    必ずしも同じではありません。

    例えば、
    袖口の端までプリントを入れたい場合。
    サンプルで一枚だけ
    きれいに仕上げることができても、
    量産時に同じ位置へ安定して
    加工できるかは別の問題です。

    生地の伸縮や裁断位置、
    縫製時のずれなどによって、
    完成品の見え方に差が出る場合があります。

    また、切り替えの多いデザインでは、
    縫製工程が増えることで、
    工賃や生産期間にも影響します。

    だからこそ、DESIGNLAB.では、
    デザインの再現だけでなく、
    数量や予算、
    納期も踏まえて仕様を検討しています。

    「この位置にプリントしたい」

    というご希望に対しても、
    単にできる・できない
    で判断するのではなく、

    「どの段階で加工するのがよいか」

    「どの素材なら仕上がりが
     安定しやすいか」

    「量産時に無理のない
     仕様になっているか」

    というところまで考えます。

    一枚だけ作れることと、
    商品として
    必要な数量を揃えられること。
    その両方を考えるのが、
    アパレルOEMの生産管理です。

    プロのパターンナーによるオリジナルアパレル製品のトワル作成

    DESIGNLAB.では、
    生地選び、パターン作成、
    プリント・刺繍、縫製、検品まで、
    商品に必要な工程を組み合わせて
    ご提案しています。

    日本国内・韓国・中国の
    生産背景を活用し、
    アイテムや仕様、数量、納期に応じて
    製造方法を検討します。

    生産ロットの目安

    • 国内生産:1型50枚〜
    • 韓国生産:1型50枚〜
    • 中国生産:1型100枚〜
      (プロジェクト総額50万円〜が目安)

    ※実際の対応可否や費用は、
    生地・加工内容・サイズ展開・納期
    などによって異なります。

    例えば、すでにブランドを
    展開されているお客様が、
    次のシーズンの主力商品だけを
    オリジナルで製作することもできます。

    すべてのアイテムを
    一度に切り替える必要はありません。

    「この商品だけは、生地や
     シルエットからこだわって作りたい」

    そんな企画から
    ご相談いただくことも可能です。

    出荷風景

    袖口の端までプリントしたい。

    ポケットのこの位置に刺繍を入れたい。

    縫い目にブランドネームを挟み込みたい。

    既製ボディでは難しいと言われた仕様も、
    製造工程から見直すことで
    実現できる場合があります。

    大切なのは、完成した服に
    無理に加工を加えることではなく、
    どの段階で何をすれば、
    希望の仕上がりに近づけられるか
    を考えることです。

    DESIGNLAB.では、
    デザインの意図を伺いながら、
    生地・パターン・加工・縫製まで含めて
    製造方法を検討しています。

    すでに商品展開をされている
    ブランド様や、
    オリジナル製品を企画されている
    法人様で、
    既製ボディへの加工では
    表現しきれないデザインがあれば、
    ぜひ一度ご相談ください。

    そのデザインを、
    どうすれば商品として形にできるのか。
    製造工程から一緒に考えます。

    オリジナル商品の打合せ
    • 既製ボディで何シーズンか作ってきて、
      次の段階に進みたいブランドさん
       
    • 加工の位置やネームの仕様に、
      こだわりたい企画ご担当の方
       
    • 生産背景やパタンナーが見つからず、
      企画が止まっている事業者さん

    コストを最優先に抑えたいノベルティや
    イベントTシャツであれば、
    既製品ボディを活用する方が
    適している場合もあります。
    一方で、ブランドの顔となる主力商品を、
    細部までこだわって作りたいという
    法人様・事業者様とは、
    生地選びから一緒に考えながら
    進めていきたいと思っています。

    次のシーズンも、
    既製ボディのプリントで進めますか?
    それとも、そろそろ卒業してみますか?

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