今回は生産ロスの話
オリジナル商品作りでの
発注数通りの数量での納品が
難しくなってしまう理由です。
受注生産や、材料をご自身で手配する際の
参考にしていただければと思います。
オリジナル商品作りは既製品を買い付けて
商品を仕入れるのとは違い、
生地などの材料から購入して
加工、生産しております。
出来上がっている既製品を買うのであれば
ほしい数量だけ買うことはできます。
しかしオリジナル商品は材料から買って
工場で一から生産している為
生産過程においてロスが発生し
ほしい数量と出来上がった数量に
ずれが発生してしまいます。
これを
増減産(ぞうげんさん)と言います。
ロスとは…?
商品を作っていく過程で発生する
材料の汚れ、キズ、破れ、穴など
縫製中にミシンに引っ掛けてしまい破れたり
ミシン針が折れてしまい針が混入して
しまった場合に生産途中で廃棄するもの
この様に
様々な原因でロスが発生します。
そのため最初にロスが発生することを見越し
発注分の数量通りに量産するために
通常、原材料を少し多めに手配しています。
生地や付属で多いものは
10%~15%ロス分を用意します。
「何も問題が起きずに生産できた場合
余分に手配しておいた材料がもったいない…
ひとまずは数量分ピッタリの材料の手配で、
材料が不足した場合にだけ
途中で買い足せばいいのでは?」
とお考えになるかと思いますが
一筋縄ではいかないところがあります。
作業を進める上で可能な限り、
この買い足すことを控える傾向があります。
買い足す作業が非効率である
ということもありますが
ロットぶれの商品を作りたくない
というのが大きな理由です。
ロットぶれとは…?
例えば生地で例を挙げると
生地は生機(キバタ)というものを
いろいろな色に染めて作っております。
染める際に10反-20反まとめて染めています。
この染める作業ですが
時期によって微妙に色に差が出ます。
ぱっと見で分かるか分からないか程度です。
これがロットぶれと呼ばれております。
生地が足りなくなったからと
生地を買い足したときに
生地の染めた時期が違うものを使った場合
ロットぶれの微妙な色の差によって
袖部分など接ぎ合わせの箇所なで
色が変わって見えるものもあります。
この色違いのものが発生してしまうと
商品として問題となってしまいます。
検品所で不良品扱いを受けます。
(ブランドさんの許容範囲によって違いあり)
量産品なので均一の商品を作りたい
この前提があり、
生地に関しては多めに手配し
多めに生産をすることになります。
こういった一連の流れの中で
生産上ロスが少なく済み
予定よりも量が多くできてしまう
ロスが多く発生してしまい
予定よりも量が少なくなってしまう
これが増減産の大きな理由になります。
参考までに
量産する商品や工場、価格帯にもよりますが
量産の発注数に対して平均的に2-3%は
生産している途中で不良が工場で発生します。
受注生産時の発注数の決定や
ご自身で材料を手配する際の
参考にしていただければと思います。
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